大雪の影響続く

国道、続く立ち往生 県内豪雪、天龍・泰阜の一部依然孤立 (信濃毎日新聞)

週末に全県を襲った記録的大雪で、県は17日午前、災害救助法を北佐久郡御代田町に適用すると決めた。茅野市、同郡軽井沢町諏訪郡富士見町と合わせ県内の同法適用は計4市町となった。長野新幹線は運行を再開。国土交通省野国道事務所などによると、同日午前、軽井沢町の国道18号で370〜380台、茅野市諏訪郡富士見町の国道20号で約100台が立ち往生している。

 県大雪災害対策本部(本部長・阿部守一知事)は県庁で本部員会議を開き、国や市町村との連携、情報共有の強化を求めた。

 下伊那郡天龍村泰阜村では一部地区が依然孤立している。天龍村では17日午前、▽中井侍(なかいさむらい)▽大久那(おおくな)▽途中上平(とちゅううえだいら)▽鶯巣宇連(うぐすうれ)▽倉ノ平▽合戸(ごうど)▽長島宇連▽峠山(とうげやま)▽見遠(みとお)―の9地区、計116人、泰阜村では栃城(とちじろ)地区の4世帯、9人。泰阜村は同日中に除雪を終える予定だ。

 高速道は、中央道の飯田―諏訪インター(IC)間と、長野道の岡谷ジャンクション(JCT)―更埴IC間がそれぞれ開通。上信越道は長野IC―藤岡JCT(群馬県藤岡市)間の通行止めが続いている。中央道諏訪ICから東京方面、上信越道とも開通の見通しは立っていない。

 JR東日本、東海によると、中央東線は特急あずさ、スーパーあずさが終日運休。高尾(東京都)―小淵沢山梨県)間に止まったままになっていた上下の9本のうち2本は運行を再開したが、下り特急あずさ21号など7本は午前10時現在、再開の見通しは立っていない。長野新幹線下り、中央西線の特急しなの上り1本ずつが運休し、その後は運行している。

 飯田線は特急「ワイドビュー伊那路」を運休。小海線は終日運休。しなの鉄道は軽井沢―小諸間を運休し、屋代―長野間、小諸―上田間の一部で部分運休した。長野電鉄信州中野湯田中間で運休している。

 県警交通企画課によると、16日午前8時半から17日午前6時半までに届け出があったスリップ事故は計97件(人身3件、物損94件)あった。

 中部電力飯田営業所(飯田市)によると、17日午前10時現在、下伊那郡阿南町根羽村天龍村泰阜村豊丘村の計約250戸が停電している。

 県農政部によると、16日午後6時現在、木曽地方を除く県全域で380棟を超えるパイプハウスの半倒壊を確認し、その他にも被害が出ている。

 県教育委員会によると、17日、県内の市町村立小中学校163校、県立高校45校(うち5校は午前中のみの休校)、県立特別支援学校11校が休校になった。東信地方の小中学校(104校)と高校(17校)の全校が休校。県情報公開・私学課によると、午前10時半時点で、県内の私立学校では、高校10校、中学校4校、小学校3校が休校した。時間を繰り下げた学校もある。


記録的大雪の影響続く・国道18号・20号では最大合計800台が立ち往生(SBC信越放送)

記録的な大雪の影響は、きょうも続きましたが長野県内の交通は、徐々に回復しています。

国道18号の群馬県境・碓氷バイパスでは除雪作業が進み、3日間にわたって足止めされていたトラックや車が、きょう午後、動き出しました。

およそ400台の車が立ち往生していた群馬県境の国道18号・碓氷バイパスでは、けさから自衛隊が救援作業を行いました。

近くの公民館には、ドライバーの避難所が設けられ、炊き出しが行われました。

先週金曜日から降り始めた雪は、おととい土曜日には、飯田市で88センチ、軽井沢町で91センチと観測史上最大の積雪となりました。

原村では車庫が倒壊し、81歳の女性が死亡、転倒や事故によるけが人も相次ぎました。

長野新幹線は、きのう夕方から運転が再開されましたが、中央東線の一部や、飯田線のほとんどの区間ではきょうも運休が続きました。

一方、県内の高速道路は昨夜までほぼ、全線で止まっていましたが、この影響で、物流に大きな影響が出ています。

長野市の卸売市場ではけさ魚を扱う業者のもとに関東からの商品がほとんど届かず、きょうの競りは中止になりました。

コンビニエンスストアやスーパーでは、空の棚が目立ちました。

また、県内各地で、雪の重みで建物や施設が倒壊する被害も相次ぎました。

安曇野市では雪の重みで、農業用ハウスが倒壊する被害が相次ぎ、被害は、2000万円近くに上るとみられますが県内の農業被害の合計は調査が困難なためまだ把握ができないということです。

県内の小学校や中学校、高校212の学校が休校に、89校が短縮授業になるなど、学校にも影響が出ています。

流通など生活への影響がすべて解消されるのには、もう少し時間がかかりそうです。

私事ですが、今朝はいつもより1時間くらい早く出たのですが、最寄の国道に出るのに40分かかり、職場に着いたのが始業5分前でした。

しばらくは時間に余裕を持っての出勤を余儀なくされそうです。


このように今回の大雪は各所で多大な影響を及ぼしました。

大雪前の状況に市民生活が回復するにはもう数日かかりそうです。


市街地では最悪の状況は脱しつつありますが、山間部では孤立している集落もあるようです。

その中でも、住民の絆でこの危機を乗り越えている集落があります。


孤立の一夜、絆で耐えた 豪雪で天龍・坂部の住民 (信濃毎日新聞)

全県に及んだ記録的な豪雪の影響は16日も各地で続き、下伊那郡天龍村坂部地区など山間部で住民が孤立状態のままだった。高速道路のまひが続き、主要国道では車が立ち往生したままで、車内で過ごした人たちの疲労感が強まった。長野新幹線中央東線の特急なども混乱、多くの乗客が足止めを余儀なくされた。

 「暗くて、1人で不安だった」―。大雪で孤立した下伊那郡天龍村坂部で1人暮らしの関トクミさん(76)は16日、信濃毎日新聞記者が足を運ぶと、停電が続く中、懐中電灯を頼りに、湯たんぽで暖を取った前夜を振り返った。自宅は地区の中心部から離れた一軒家。ラジオの情報を確認しながら過ごす時間は孤独感に包まれた。

 16日早朝、区長の鈴木智博(としひろ)さん(72)が膝ほどまで積もった雪道を約450メートル歩いて訪ねてくれた。「とても心強かった」。関さんは近所の支えを心からうれしく思った。

 愛知県境に近い山間部に位置する坂部は13世帯、23人。その多くが70歳を超えている。15日午前、天竜川沿いの県道から地区に通じる林道が雪で通行できなくなり、孤立状態に。地区中心部の住民たちは、互いの家を行き来できるよう雪かきを繰り返し、地区全員の安否を確認した。

 村柚餅子(ゆべし)生産者組合の組合長でもある関京子さん(78)は、加工所にある食品を提供することも考えた。お年寄りたちに元気を与えたのは、数少ない若手として雪かきなどを中心に担った30代と40代の男性2人だった。京子さんは「今後も困難があっても、若い衆と共に支え合い、乗り切っていきたい」と話した。

 村内では、坂部の一部とその周辺地区計約60人の孤立状態が続いており、村が電話などで住民の健康状態などを確認している。

 同郡根羽村では、倒木などで村道が不通になった池之平地区の3世帯9人が15日から孤立。村が出動を要請した県消防防災ヘリコプターが16日午後1時すぎに救出した。9人は村老人福祉センター「しゃくなげ」に避難した。

 3人暮らしの会社員宮脇賢一さん(54)宅では15日夕に停電が発生。自宅周辺の積雪は約1メートルに達した。「何しろ明かりがないのが本当に困った。避難してみんなほっとしている」と語った。

 下伊那郡内ではこの他、同郡泰阜村栃城地区の4世帯9人も孤立しており、村が17日中に除雪をする予定だ。

一晩とはいえ、闇に包まれたままの時間は辛かったのではないでしょうか。

こういった形で地域のコミュニティが強く結びついているというのはとてもいいことだと思います。