リニア中央新幹線 経済効果への思惑は?


リニア経済効果に期待高まる 各地商工団体(中日新聞・長野)

リニア中央新幹線構想でJR東海が22日、地形・地質調査の報告書を国土交通省に提出し、リニア整備による地域経済への波及効果に県内の商工団体の期待は高まる。が、南アルプス北側の迂回(うかい)を求める県と、南ア貫通を想定するJRの2つのルートをめぐり意識の違いも表れている。

 諏訪地方の商工会議所、商工会は今年7月、諏訪地区商工団体リニア駅建設促進同盟会を発足。南ア貫通のCルートでは沿線から外れるだけに、五味光亮会長は「航空輸送との競争や新幹線の代替といったJRの利益だけで事が進むのか。百年の大計にたった考えでない」とJRの方針をあらためて批判する。

 JRは年内にも、国交省の指示を受けて地元との意見調整に入る予定で、五味会長は「大都市機能分散、経済圏分散の政治的大計が必要」と注文。また「中南信は人口、工業出荷額とも県全体の6割以上を占めるエリア」とした上で、各地域の商工団体ごとの運動体も「今後は1つにする必要がある」と指摘した。

 伊那商工会議所の向山公人会頭も「地域の発展に貢献しない公共交通網があるわけがない」ときっぱり。「最後まで(南ア北側の)Bルート要望を貫いていくし、一般の人たちにも身近な問題としてとらえてもらい、市民も参加した運動につなげていかなくてはならない」と訴えた。

 Bルートで諏訪地域に中間駅ができれば、松本地域も首都圏との時間距離が短縮される。経済活動に加えて観光などで効果が期待されるだけに、松本商工会議所は「直線ルートは、県民として期待を裏切られる形になる」とJRをけん制した。

 これに対し飯田市はB、Cいずれのルートでも沿線となる。飯田商工会議所の宮島八束会頭は「南ア貫通ルートが可能という内容が出てきたことは、まことにありがたい。早い時期に完成していただく立場に変わりない。最短距離が一番環境にも優しいと思う」とJRの姿勢を評価。さらに「近いうちに行政も一丸になる。それまで経済界で頑張って、地域を挙げて応援できる体制に持っていきたい」と期待を込めた。

太字斜字で示した言葉が一番理に適っていると思います。

JR東海東海道新幹線のバイパスと考えている以上は、コストのかからないルートを設定するのは当然のことだと思うので、長野県は大人の対応をしてほしいと思います。