リニア中央新幹線 調査作業分担判明


リニア中央新幹線、JRと鉄道機構の作業分担が判明 (信濃毎日新聞)

リニア中央新幹線計画をめぐり、整備計画格上げの前提となる4項目の調査について、調査主体のJR東海独立行政法人鉄道・運輸機構が国土交通省に提出した調査実施計画書の内容が23日、判明した。4項目のうち、建設費用の調査はリニア方式を想定した場合はJR、通常の新幹線と同じ鉄輪方式の想定では同機構が中心に行い、それぞれルート別に算出する。双方の作業分担が明らかになったのは初めて。

 調査対象は、JRと機構が昨年10月に地形地質調査報告書で国交省に示した諏訪・木曽谷回り(A)、諏訪・伊那谷回り(B)、南アルプスを貫く直線(C)の3ルート。計画書では、現在の技術水準を踏まえて両走行方式の基本性能を整理。同調査報告書で描いたルート幅(約20キロ)よりも狭い幅の想定ルートを設定した上で調査することも明らかにしている。

 ルートや走行方式は、調査結果を基にJRと機構が共同で総合的に検討。ルートや設置駅などに関する地域との調整は、JRが中心となって実施する。機構は、地域への調査結果の説明や意見聴取などに必要に応じて協力する。

 同計画をめぐっては、リニア方式での整備を目指すJR東海が2007年12月、首都圏−中京圏の路線を自己負担で2025年開業を目標に整備する意向を表明。4項目の調査は08年12月、東京−大阪間について国交相がJRと機構に指示した。

 JR東海は23日、長野市内で県と2回目の「勉強会」を開催。山梨リニア実験線の経緯や施設内容などについて説明した。県によると、JRから調査実施計画書について説明は受けていないという。

【メモ・中央新幹線の走行方式】 中央新幹線の走行方式 中央新幹線(東京−大阪)は現在、全国新幹線鉄道整備法に基づく手続きでは、起点と終点、主な経由地を示した基本計画の段階。リニア方式が有力となっているが、走行方式は未定のため、通常の新幹線と同じ「鉄輪方式」採用の余地も残っている。走行方式は、JRと鉄道・運輸機構が、建設費など4項目の調査報告書を国土交通相に報告後、国の交通政策審議会での審議を経て決定される整備計画に盛り込まれる。


これで、建設計画の策定がスムーズにいくことに期待したいですね。