リニア中央新幹線 相反する動き


リニア新幹線、負の側面も明らかに 市民ネット発足 (信濃毎日新聞・9日)

JR東海が推進するリニア中央新幹線計画に対し、沿線の長野、山梨、東京の3都県の住民有志が8日、環境への影響など負の側面も含めて考える「リニア・市民ネット」を発足させ、甲府市内で初の連絡会議を開いた。専門家を招いた学習会を定期的に開き、JRや国土交通省に話し合いの場も求め、「市民の立場からリニアの必要性を問い直していく」としている。

 会議では代表に川村晃生慶大教授(甲府市)を選び、当面の活動方針を確認した。川村代表は会議後に記者会見し、JRが想定する南アルプスを貫通する長大トンネルの自然環境への影響や、リニア装置から発生する電磁波の身体への影響や電力量の大きさなど、計画をめぐる5項目の問題点を指摘。「リニアは分からない点が多く、マイナス面を含めて判断できるよう、計画の実態を明らかにしていきたい」と述べた。

 2月に川村代表らが呼びかけたリニア問題の学習会の参加者を中心に、市民ネットを準備していた。8日は10人が出席。神奈川県内からも参加を検討しているという。

JR東海が南ア・山梨側で「作業トンネル」掘削(信濃毎日新聞)

リニア中央新幹線計画をめぐり、JR東海南アルプス東側の山梨県早川町新倉で、「水平ボーリング用作業坑」との位置付けでトンネルの掘削を始めたことが9日、分かった。断面積約30平方メートルで長さ2キロにわたって掘削後、終点から水平ボーリングを行い、掘削開始地点から3キロ先までの地質を調べる計画だ。

 JRなどは諏訪・木曽谷回り(A)、諏訪・伊那谷回り(B)、南アルプスを貫く直線(C)の3ルートで地形地質調査を実施。昨年10月、いずれも建設可能とする報告書を国土交通省に提出した。

 JR東海によると、同社が想定する南ア貫通ルートについて「より詳細なデータを入手する目的」(広報部)で2月中旬、作業坑の掘削に着手。「本坑になることはない」(同)とする一方、調査終了後の扱いは未定としている。

 現場は、昨年2月から約半年間実施した水平ボーリング(穴の直径10センチ)地点の近く。昨年は約1キロ先まで調査したが、それより奥を調べるには、ボーリングの機械を入れるための作業坑が必要としている。工期は2011年8月までの予定。

 同社は、南ア西側の下伊那郡大鹿村では同様の作業用トンネル掘削を伴う追加的なボーリング調査を見合わせており、「環境が整い次第行いたい」(広報部)としている。


相反する動きが報道されていますが、沿線住民のコンセンサス(同意)も建設していく上では必要な動きだと思いますので、今後の動きに注視していきたいですね。