非情な別れ

カルデロンさん、比に帰国の両親見送り 悲しみこらえる(朝日新聞)

国外退去処分が確定した埼玉県蕨市のフィリピン人、カルデロン・アランさん(36)とサラさん(38)夫妻が13日、成田空港から帰国した。両親と離れ、日本に残ることを決断した中学2年生の長女のり子さん(13)が、悲しみをこらえて見送った。

 夫妻は92〜93年、出稼ぎのため、それぞれ他人名義のパスポートで不法入国。日本で結婚し、のり子さんが生まれた。06年にサラさんの逮捕をきっかけに国外退去処分となり、08年9月に最高裁で処分が確定した。その後、改めて在留特別許可を求めていた。偽造旅券で入国した経緯から、法務省は両親の在留を認めなかった。のり子さんについては「日本で勉強を続けたい」という希望と近親による養育環境を確認し、在留を許可した。

 「寂しいし、不安」。夫妻の表情は搭乗間際までゆがんでいた。帰国後の生活は何も決まっていない。子どもを残すことへの心配も尽きない。別れの場となった手荷物検査場の入り口で、3人は何度も抱き合った。「体に気をつけて」。両親の励ましにうなずいたのり子さんは、涙で顔を崩しながら、姿が見えなくなるまで立ちつくしていた。


何とも非情ではありますが、法治国家である以上は止むを得ないことである一方で、国連の「子供の権利条約」に違反しているということでもあるんです。

国にとってはギリギリの選択だと思いますが、寛容になるところもあってよかったのではないでしょうか。