復興への道は遠い

東北地方太平洋沖地震のニュースにはかなりの時間が割かれていますが、長野県栄村でも地震の被害は大きく、地元ローカルのニュースではトップでかなりの時間を割いていますが、全国ニュースではなかなか放送されないことに歯がゆさを感じます。

被害の甚大さでは東北地方太平洋沖地震の方が圧倒的ですが、長野県栄村でも当たり前の生活ができない人たちが1600名います。

微力ではありますが、地元ローカル紙から記事を引用させていただき、現状を知ってもらいたいと思います。


県北部地震1週間 栄村復興、見通せず (信濃毎日新聞)

下水内郡栄村が震度6強の強い揺れに見舞われ、家屋倒壊などの被害が出た県北部地震の発生から1週間を迎える。17日現在も断水が続き、避難者はまだ1600人近くに上る。余震が続く中、避難指示解除のめどは立っていない。再入居が不可能な家屋も目立つ。村民に疲労と焦りが広がっているが、復興への道のりはまだ見通せていない。


 【住まいは、今後は…】 県は17日、村内家屋の応急危険度判定で「危険」と判断された約150世帯に、今後の住居について意向調査を行った。村外の公営住宅への住み替えや仮設住宅入居などの意向を把握するため。ただ、今後の暮らしが見通せず、住み慣れた地を離れることに難色を示す人も少なくなかった。

 村役場では午前中、ホールに避難者を集めて応急危険度判定の結果を県が説明、その後、個別相談を行った。森地区の広瀬房子さん(83)は取材に「自分だけでは決められない」と戸惑った様子。一人暮らしで、2人の息子は茨城県名古屋市にいる。「建て直しても年寄りなのでいつまで住めるか分からない。先の見通しが立てられません」

 北信小の避難所で意向調査に応じた横倉地区の上倉直人さん(67)は、民生委員を務めている上、新聞配達やJR横倉駅の切符販売をしており「地区を離れるわけにはいかない」と話す。「でも、ずっと避難所で暮らすこともできない。一度は村を離れても、また戻って来たい」

 村は18〜21日の一時帰宅を午後1時から5時までに拡大したが、避難解除のめどは立っていない。村役場の避難所にいる森地区の桑原栄子さん(73)は「早く帰りたい。でも、帰っても暮らせない。一体どうしたらいいのか」と困り果てていた。


 ライフライン、物資】 ライフライン確保の上で影響が深刻なのは、秋山地区を除く村内全域の断水だ。村内には15の水源があるが、深い積雪で調査が難航し、原因が特定できていない。復旧の見通しも立っていない。県などの給水車3台が村内7カ所の避難所を回り、生活用水の供給を続けている。

 電気は地震が発生した12日中に復旧。灯油、ガソリンなどの燃料も村内外で調達が可能な状況で、避難所の暖房に問題はない。飯山市新潟県に通じる幹線道路の国道117号も午後6時までの12時間は通行可能(大型車除く)。

 JR東日本は17日、不通になっているJR飯山線戸狩野沢温泉−森宮野原間で朝夕の通勤・通学時間帯にバス運行を開始。17日は上下計8本を走らせた。


 【支援の動き】 県は地震発生直後から支援を開始。給水車のほか村内7カ所の避難所へ届ける弁当を手配している。避難者の体調管理や心のケアのために保健師5人も派遣。県内外から飲用水や毛布などの物資も寄せられ、村は「物はそれほど不足していない」とする。人繰りはぎりぎりで回しているという。

 避難指示が解除されて避難所から自宅へ帰った後は、片付けなどにも支援が必要になるとみられる。ボランティアの受け入れは未定で、県社会福祉協議会長野市)も「現時点では復旧作業の妨げになる恐れがある」として募集は行っていない。「混乱せず、統制の取れた形で受け入れられるよう検討している」と村担当者は話している。


 【農業被害】 村によると、村内のキノコ農家22軒のうち21軒で栽培施設が傾いたり、栽培用のビンが倒れたりした。畜産でも被害が出ており、肉牛農家2軒で計約30頭が落ちてきた牛舎の屋根などの下敷きになって死んだ。キノコ、畜産とも被害額は現時点で不明だ。

 水田への影響を心配する声も出ている。村は「農地には2メートル以上の積雪があるため、詳細は分からない」としつつ、各地であぜが崩れたり、水路が破壊されたりした可能性が高いとみている。地元農協は「今年は稲作ができない農家も出てくるのではないか」と心配している。

 【情報の確保】 避難生活では、避難所に配られている信濃毎日新聞の朝夕刊や村が設置したテレビで地震被害の状況が伝わっている。

 同村箕作集落センターに避難している久保田元明さん(60)は、本紙報道で東北地方の被害を目にして深刻な状況に胸を痛めながら、「被害が大きい栄村のことも世間に忘れられないようにしてほしい」と願っていた。

 また、村は7カ所の避難所のうち、同村役場の図書館と北野天満温泉、北信小学校にそれぞれ数台のパソコンを設置し、インターネットに接続できる環境を整えた。


必要最低限の物資は届いていますし、電気も通じていますが、依然として水道が断水状態です。

避難されている住民の皆さんの疲労はピークを迎えているようです。

下から3行目に書いてある言葉にあるように、長野県栄村の被災のことも忘れないでほしいと思う次第です。