飯田地域でリニア中央新幹線の説明会開催

リニア説明会 飯田で開催 水源問題や駅設置で質問(信濃毎日新聞)

 リニア中央新幹線についてJR東海が5日に公表した県内分の環境配慮書の説明会が18日午前、飯田市飯伊地域地場産業振興センターで開かれた。県内中間駅について飯田下伊那地方が現JR飯田駅併設を求めているのに対し、JR東海はあらためて飯田市座光寺から下伊那郡高森町下市田一帯の郊外への理解を求めた。説明会後、両者の主張の隔たりについて牧野光朗飯田市長は「地元とJR東海だけで乗り越えるのは厳しい」として、「国や県の関与を見いだしたい」と述べた。


 飯伊地方などの約700人が参加。JR東海は現駅併設を想定した場合、路線延長により工事費が増えることなどを挙げ、現駅を中間駅位置案(直径5キロ円)に含めなかったと主張。飯田市が求める水源保全については「(概略路線案の)3キロ幅で不安を拭うルート設定が可能」とした。


 質疑応答は、水源問題や現駅併設、路線周辺の環境への影響をテーマに9人が質問。飯伊地方の経済団体でつくる飯田駅設置推進協議会の中田教一副会長は、現駅併設で膨らむ路線工事費500億〜600億円を県や飯伊地方が用意すれば併設は可能か―と質問。JR東海の宇野護・中央新幹線推進本部長は「併設だと用地確保も難しい。配慮書にある比較表の通りとご理解いただきたい」と述べた。


 終了後、宇野本部長は「それなりに理解を深めていただくことができた」とし、環境影響評価の手法案を示す方法書を今秋にもまとめた段階で、地元の市町村などに説明を続ける考えを示した。牧野市長は「時間は限られていたが議論のスタートを切ることができた」と話した。


私も説明会に参加してきました。

地域の関心が高いのか、私が予想していたよりはるかに多い参加者数でした。

説明会の流れとしては、牧野飯田市長と県の担当者、JR東海の担当者のそれぞれの挨拶があり、それに引き続き、JR東海からの説明と参加者との質疑応答という流れでした。

今回の説明会の資料(JR東海作成)を頂きましたが、最初のものにしては簡潔で分かりやすく、飯田地域に配慮して、JR東海が考えている路線案と飯田地域で要望されている現飯田駅併設の場合の案が併記されていました。

JR東海側の説明も、リニアの基本知識から入り、日本のリニアモーターカー開発の経緯、リニア中央新幹線の概要、そして、リニア中央新幹線の長野県内ルートの概要、建設にあたっての配慮点についての説明がありました。

こうしてJR東海の見解を聴くことができたのは初めてで、分かりやすく説明していただいたように思います。


質疑応答では、水源域通過に関すること、現飯田駅併設に関すること、沿線の環境への影響の三点でなされました。

上のリンク元の記事で書かれている「県や飯田下伊那自治体が500〜600億出せば、現飯田駅併設を考えてくれるか?」という質問にはものすごく違和感を感じました。

そのお金は、私たち住民の税金から出るのは明らかであるはずなのに、こういう発言をするのは住民軽視であり、JR東海をなめているとしか思えません。ただでさえ、駅建設に350億円を地元負担でといっており、さらに建設用地取得にも多大なお金がかかるはずなのに、それ以上JR東海や地元住民に負担を強いるのは、利権にすがっている人の奢りにすぎません。


他、現飯田駅併設に反対の立場から、JR東海は現飯田駅併設について、生活環境の影響に配慮して、市街地通過をできるだけ避けるという見解を示したことを評価された方の発言があり、この案でいいのではということも言われていましたが、今回の会の趣旨に合わないということで、見解を求めることに関しては却下されるという場面がありました。この発言に関しては、かなりの拍手があり、現飯田駅併設に関しての足並みの乱れを露呈したものとなりました。


私の場合は、今日は仕事が休みだったので、こうして説明会に参加できたわけですが、現状では、地元住民がリニア中央新幹線に関して情報が共有できているのかというと、そうなっていないと思います。行政と経済界が旗振りをしてはいますが、住民がそれに乗り切れていないのではないでしょうか。

今後は、地域住民が情報を行政などに求めて、共有していくことによって、様々な問題を炙り出していき、行政やJR東海に物申して、徹底的に議論し、良好な関係を保っていくというのが理想ではないかと思います。


そのスタートとして、今日の説明会は意義深いものになったのではないでしょうか。