JR東海が県内の飯田線の9つの有人駅を無人化へ

飯田線5駅を無人化方針 JR東海が地元に打診 (信濃毎日新聞)

JR東海飯田線の県内駅のうち、駒ケ根駅(駒ケ根市)や市田駅下伊那郡高森町)など少なくとも上下伊那地方の有人駅5駅について、無人化の方針を地元自治体側に伝えたことが1日、分かった。地元側は人件費などを負担して駅員を維持するか、無人化を受け入れるかの判断を求められているという。複数の自治体幹部によると、伊那、飯田両市内でも対象駅があり、広範囲で無人化の検討が進められる可能性が出ている。

 地元側ではリニア中央新幹線開業を見据え、アクセスの一部を担う飯田線の充実を求める声が強い。今回の無人化方針に危機感を募らせ、広域的な対応の必要性を訴える意見も出始めた。

 各自治体幹部によると、駒ケ根、市田両駅以外に無人化方針が示された3駅は、伊那松島駅上伊那郡箕輪町)、飯島駅(同郡飯島町)、伊那大島駅下伊那郡松川町)。駒ケ根市と飯島町、高森町には10月29日にJR東海の幹部らが訪れ、無人化の意向を伝えた。箕輪町松川町には1日に訪れたという。

 駒ケ根市によると、同社側は駒ケ根駅を来年4月から無人化すると説明。乗車人数の減少を理由に挙げる一方、飯田線を将来にわたって存続させる考えに変わりはないとした。人件費などを市側が負担して駅員を維持する契約を同社と結ぶかどうか、年内の回答も求めたという。他の地元自治体も同様の打診を受けたとみられる。

 高森町は1日の町議会全員協議会で同社側の方針を説明。熊谷元尋町長は取材に「(飯田下伊那の市町村でつくる)南信州広域連合としてものを申していく必要がある」として、広域での対応の必要性を指摘した。

 JR東海広報部は取材に対し「営業形態の変更について地元自治体を訪問しているが、まだ全てへの説明が終わっていない」とし、無人化を検討しているかを含め「内容はお伝えできない」とした。

 同部によると、県内の飯田線54駅(辰野駅を除く)のうち駅員がいるのは12駅。このうち同社が直轄管理しているのは伊那市伊那市)、飯田(飯田市)、天竜峡(同)の3駅。他は関連会社の東海交通事業が受託管理している。受託管理駅では今年4月、平岡駅下伊那郡天龍村)が無人駅となった。


飯田線無人化さらに4駅 JR東海が伊那・飯田市に打診 (信濃毎日新聞)

JR東海が検討している上下伊那地方の飯田線有人駅の無人化で、同社は2日午前、飯田市元善光寺駅と鼎(かなえ)駅、伊那市伊那北駅と沢渡(さわんど)駅もそれぞれ無人化する方針を両市に伝えた。同地方の有人駅12駅(辰野駅を除く)のうち、同社による無人化の検討対象は1日までに分かった5駅に加え9駅となった。

 同社の担当者が各市役所を訪れ、非公開の場で伝えた。両市によると、同社側は乗客人数の減少などを理由に来年4月1日から態勢を変更する―と説明。地元側が人件費などを負担して駅員を維持するか、無人化を受け入れるかの判断も求めたという。伊那市役所で、同社の担当者は取材に「広報部を通してほしい」と述べた。

 公務で県外に出張中の牧野光朗飯田市長は2日、「地域住民、利用者への影響に考慮し、関係町村と今後の対応について協議したい。JR東海には飯田線の重要性についてさらなる理解を求めていく」とのコメントを出した。

 白鳥孝伊那市長は取材に「地域を挙げて飯田線利活用に取り組んでおり、残念な話」とし、「伊那市だけでなく上伊那全体の話として各首長と相談したい。飯田下伊那の市町村とも話をしていかないといけない」と述べた。

 同社は1日までに、伊那松島上伊那郡箕輪町)、駒ケ根(駒ケ根市)、飯島(同郡飯島町)、伊那大島下伊那郡松川町)、市田(同郡高森町)の各駅を無人化する方針を地元市町に伝えている。

残念な話であるとともに怒りを覚えました。

地域の足である飯田線の先細りに拍車をかけかねない事態だと思います。

こういうことを推し進めていくJR東海は、飯田線についてどういったビジョンを持っているのでしょうか?

リニア中央新幹線開通後の交通体系から考えると、飯田線は交通アクセスの一端を担うはずなのに、これでは脆弱化が避けられません。

沿線自治体や住民が声を上げて、無人化を何としてでも回避する努力をしてほしいと思います。