長野県が地域交通の再構築の促進に乗り出す

県、地域交通再構築促進へ 市町村支援 13年度から新規事業 (信濃毎日新聞)

県は2013年度、市町村が担うコミュニティバスや路線バスといった地域交通のうち、需要が見込めない路線や区間について、予約制のデマンド交通に転換したり、タクシー利用に切り替えたりした場合に補助するなど、運行形態の再構築を促す方針だ。市町村の地域交通への財政負担は増加傾向にあり、「地域の足」を存続させるためには効率化が不可欠とみている。

 県内では、利用者減少により民間路線バスなどが撤退した後、市町村が経費を負担する代替バスや複数の廃止路線を統合したコミュニティバスを運行している事例も多い。

 ただ、県によると、市町村の地域交通への財政負担(鉄道除く)は11年度、23億6千万円に上り、記録が残る04年度の15億8千万円を大きく上回った。県の新たな総合交通ビジョンを検討している有識者委員会と県内首長らとの昨年の意見交換でも、負担の重さを訴える首長が多かった。

 このため県交通政策課は13年度、新規事業で「地域交通システム再構築促進プロジェクト」を計画。交通関連の協議会単位などで現行システムの課題や需要に見合う運行形態への見直しを検討してもらう。その上で県は再構築の事例や手法を紹介したり、市町村職員らを対象とした研修会開催などを通した人材育成、必要経費の支援をしたりする。協議会などで合意した取り組みは2年計画で実証、検証する。13年度は4地域程度で試行予定で、当初予算に480万円を要求している。

 県交通政策課は「需要が少ない地域ではタクシー利用に補助したり、NPOの有償運送を活用したりする方が効率や使い勝手が良い場合もあるのではないか」としている。

利便性を保つと同時に、効率のいい地域交通システムを構築していくかが現在の重要な課題となっており、そこまでのプロセスをどう導き出していけるかが、この事業の成否のカギになるのではないでしょうか。