JR飯田線の飯田市内の2駅が無人駅に

飯田市内2駅が無人駅に JR飯田線(中日新聞・長野)

JR東海が四月から飯田線九駅を無人化する問題で、牧野光朗飯田市長は八日の定例会見で、市内で対象となる鼎、元善光寺両駅については、地元負担による駅員配置はしないことを明らかにした。また、飯島町の高坂宗昭町長は七日夜の住民懇談会で、JR東海と簡易委託契約を結び、飯島駅に駅員を残す方針を示した。これで沿線七自治体の方針がすべて決まり、九駅のうち飯田市伊那市の四駅を除く五駅に駅員が置かれることになった。

 飯田市は、駅員を置く場合の人件費などが一駅で年間二百五十万〜三百五十万円と試算。切符などの販売に業務が限られることから、費用対効果が薄いと判断した。牧野市長は「切符の販売が少ない中で、駅員を配置するのは非効率的だ」と述べた。

 また、飯田線の利用促進に向け、新年度からバスや乗り合いタクシーの新たな路線を設けて運行実験を実施する。実験路線は、鼎駅飯田長姫、飯田工業両高校が統合する新校、伊那八幡駅と市立病院、飯田女子短大などを結ぶという。

 飯島町は、飯島駅の駅員にJR東海のOBを充てる予定。営業時間や駅員の勤務体系などは今後、同社と相談して決める。

 高坂町長は「町内五駅がすべて無人駅になればイメージが悪い」とした上で、「駅前のにぎわいを取り戻すために商工会などと今後も話し合っていきたい」と述べた。

 駅員が置かれるのは、飯島駅のほかに市田(高森町)、伊那大島松川町)、駒ケ根(駒ケ根市)、伊那松島箕輪町)の五駅。無人駅になるのは飯田市の二駅と、伊那市の沢渡、伊那北両駅。

 すべての沿線自治体の方針が示されたことを受け、JR飯田線利用促進連絡協議会長も務める牧野光朗市長は「一連の無人化問題で、JRと飯田線の存続を前提に利用促進をしていく認識を共有できたのは意義がある。今後も観光促進や生活の足として飯田線を守っていくために意見交換を重ねていきたい」と述べた。

このニュースを聞いて、愕然としました。

単に費用対効果だけを理由に無人化を受け入れるのは、とても残念に思います。

同じ飯田下伊那地域で無人化の対象になった駅を持つ、松川町や高森町では無人化を回避していて、それに伴うプロジェクトを立ち上げるといったニュースがもたらされていますが、飯田市ではプロジェクトを立ち上げることなく無人化を受け入れることになってしまいました。

飯田市内で無人化に該当する駅で、鼎駅では「願い事が叶う」という記念切符を売っています。また、元善光寺駅は、リニア中央新幹線の中間駅が設置されるエリアにある駅で、地元のリニア中央新幹線の協議会では結節を決議しています。

このような役割を果たす、あるいは果たそうとする駅を無人化するのは、飯田線の軽視につながっていると思います。

駅に人がいるということは、単に切符販売や改札の業務というお金に代えられるものばかりでなく、防犯面や駅の維持管理における、お金には代えられないものがあると思います。

そういった観点から、個人的には飯田市内の2駅の無人化には反対です。

無人化ありきの結論を出した飯田市の対応は、許すことのできないことだと思います。