今日の気になるニュース

今日の気になるニュースは、東京・上野に最後まで残っていた同潤会アパートが解体されるというニュースです。


東京 最後の同潤会アパートを解体へ(NHKニュース)

今から90年前の関東大震災の復興住宅として建てられた「同潤会アパート」と呼ばれる集合住宅のうち、唯一残っていた東京・上野の建物が取り壊されることになりました。
日本の集合住宅の草分けといわれる存在が姿を消すことになります。

同潤会アパートは、90年前の大正12年に起きた関東大震災のあと、復興のために建てられた当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの集合住宅です。
昭和初期までに建てられた16か所のうち、唯一残っていた東京・台東区にある「上野下アパート」が取り壊されることになり、8日、建物や内部が報道陣に公開されました。
このアパートは、昭和4年に建てられた4階建ての建物で、都市に集まるさまざまな住民のため家族用と独身用の70余りの部屋があり、集会所や店舗もあります。
火災の被害が大きかった関東大震災を教訓に、防火対策として、玄関には鉄製のドアが取り付けられ、廊下には防火扉が設置されました。
また、部屋には水洗トイレや流し台など、建設当時最先端の設備が取り入れられました。
同潤会アパートは、多くの人が木造の戸建てや長屋の住宅で暮らしていた時代に新しい住まい方を提示し、戦後、高度経済成長期に急増した団地やマンションなどに大きな影響を与え、日本の集合住宅の草分け的な存在と言われています。
上野下アパートは、来月上旬から解体され、再来年には地上14階建てのマンションに建て替えられる予定で、これで同潤会アパートはすべて姿を消すことになります。



日本の集合住宅の草分け的存在

同潤会アパート』は、大正12年に起きた関東大震災の復興住宅として建てられた当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの集合住宅です。
大正15年に、現在の東京・墨田区の「中之郷アパート」をはじめ、渋谷区や横浜市など合わせて16か所に建てられました。
木造の戸建てや長屋の住宅が一般的な時代に、新しい都市での住まい方を提示しようと、家族用と独身用に広さや間取りなどを変えた数十のタイプの部屋が作られました。
また部屋には、電気、水道、ガスが整備され、水洗トイレや流し台など、建設当時、最先端の設備が取り入れられたほか、すぐに暮らしを始められるよう食器棚や米びつなどの家具も備え付けられていました。
さらに隣近所との交流がしやすいよう玄関を向かい合わせにして、屋上に洗濯物の洗い場と物干し台を設置したほか、中には、食堂や娯楽室などがあるアパートもありました。
最先端の住宅とあって、入居を希望する人は多く、抽選会では、倍率が20倍を超えるなど、庶民にとって憧れの存在で、昭和28年に公開された小津安二郎監督の映画、『東京物語』では、撮影の舞台の1つにもなりました。
建物の構造や設備は、高度経済成長期に一気に普及する「団地」や今のマンションに大きな影響を与え、日本の集合住宅の草分け的な存在といわれています。

今の集合住宅の原型とされているということですが、こうした歴史的に価値のある建物が姿を消すのは残念なことだと思います。

残せるものなら、補強工事や外観だけでも残して、歴史遺産として保存してほしいと個人的には思うのですが、安全性が優先されてのことなら仕方がないのかなと思います。

これも時代の流れなのでしょうか。