今日の気になる

今日の気になるは、iPS細胞の初の臨床研究が了承されたというニュースです。


初のiPS臨床研究 国審査委が了承(NHKニュース)

iPS細胞を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる臨床研究について、厚生労働省の審査委員会は、計画の内容に妥当だとして実施を了承しました。
来年夏にも、iPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しになりました。

この臨床研究は、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者の網膜の一部をiPS細胞を使って再生し、失われた視力を回復させようというもので、神戸市にある理化学研究所などの研究チームが、ことし2月、厚生労働省に実施を申請しました。
厚生労働省の審査委員会は、26日、非公開で3回目の審議を行い、追加で提出を受けた安全性のデータも含め、倫理面や技術面から研究計画の妥当性を検討しました。
その結果、計画の内容は妥当だとして計画書の一部修正を条件に臨床研究の実施を了承しました。
26日で、国による研究計画の実質的な審査は終了し、研究チームは今後、厚生労働大臣の了承を得て、臨床研究に参加する患者を選ぶ作業に入ります。
そして、来年夏にも、神戸市にある先端医療センター病院でiPS細胞から作った目の網膜の組織を「加齢黄斑変性」の患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しです。
.

ぜひ次のステップに
臨床研究が了承されたことについて、加齢黄斑変性の患者でつくる「加齢黄斑変性友の会」の代表世話人高橋英夫さんは「やっとスタート台に立ったという印象だ。まだ臨床研究なので、多くの人に届くというゴールまでは遠いが、患者にとっては一筋の明るい光が見えてきた。加齢黄斑変性の患者は、治療が難しいなかで、もっと見たい、見えるようになりたいという思いをずっと抱えて生活している。今回の研究で安全性を確認して、ぜひ次のステップに進んでほしい」と話していました。


大きな一歩だ
今回、了承された臨床研究と同じように、iPS細胞を使った目の病気の治療法を研究している大阪大学の研究者は「再生医療を後押しする大きな一歩だ」と受け止めています。
大阪大学大学院の西田幸二教授の研究グループは、けがや病気で傷ついたり濁ったりした患者の角膜の一部をiPS細胞を使って再生し、視力を回復させようという治療を研究しています。
これまで、こうした患者には角膜移植などが行われていますが、提供者が少なく、また拒絶反応により治療成績が悪いなどの課題がありました。
そこで、患者本人の細胞などから作ったiPS細胞で組織を再生し、移植する治療を計画しています。
西田教授は、目は、ほかの臓器などと比べて状態を観察するのが容易で、予期しない反応が起きた場合でも移植した部分を取り除きやすいことから、iPS細胞を使った治療に適していると言います。
そのうえで、同じ眼科の分野で臨床研究が認められたことについて、「患者が光を取り戻せるよう治療への道が開かれたもので、大きな期待を持っている。ほかの分野を含め、再生医療を後押しする大きな一歩で、医療全体に与える影響は大きい」と評価しています。
そして、研究している治療法については、「3年から4年後をめどに臨床研究を実施したい」と話しています。


成長戦略にも位置づけ
iPS細胞などを使って病気やけがで失われた体の機能を取り戻す再生医療は、今後、世界をリードする産業として期待され、安倍政権も経済の成長戦略の重要な柱と位置づけています。
京都大学山中伸弥教授がiPS細胞を発見するなど、日本は、再生医療の基礎的な研究では世界でも有数の実績がある一方、治療への応用や医薬品など製品の開発では、欧米に後れを取っていると指摘されています。
このため、国は、iPS細胞を使った研究に対して、10年間で1100億円の支援を行うと表明するとともに、iPS細胞など再生医療の技術を生かした医薬品や医療機器の開発を迅速に進めるため、関連する規制などを見直すことにしています。
さらに、医療技術の開発を後押しするには、司令塔となる組織が必要だとしてアメリカのNIH=国立衛生研究所にならって、「日本版NIH」の実現を目指すとしています。

再生医療の確立に向けて大きな一歩になったのではないでしょうか。

この臨床研究によって、一筋の光が見えてくるという人が数多くいるでしょう。

安倍政権の成長戦略の一つとされる再生医療を日本がリードしていってほしいと思います。


ただ、発達しすぎるとクローンを生んでしまうという倫理面で憂慮すべきことがあるので、そういったことと並行して再生医療の確立へ道筋をつけてほしいですね。