薬害肝炎患者救済へ大きな一歩

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アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル

福田首相は23日、和解協議が続く薬害C型肝炎訴訟について、議員立法によって、原告側の求める「全員一律救済」を実現する方針を明らかにした。自民、公明の両党で法案内容を詰め、民主党の協力も得て、今国会に提出し、成立を目指す。血液製剤の投与時期によって救済対象を線引きするこれまでの政府方針を転換する内容。内閣支持率の急落などを受け、首相主導で局面打開を目指す必要があると判断したとみられる。

 首相は23日、首相官邸で記者団に、「自民党総裁として」と断ったうえで、「全員一律救済ということで議員立法する。党との相談の結果決めた。公明党の了解もとっている」と表明。方針転換の理由については、「現在の司法、行政の枠内で答えが出ないか最後の最後まで苦労した。しかし、できないということになり、新しい局面を考えなければ、この問題は打開できないと考えた」と説明した。

 さらに、首相は「可及的速やかに立法作業、国会審議をして、野党の協力も得なければいけない」と指摘。民主党との協議については「場合によっては法案作成に参加して頂くことがあってもいい」と述べた。

 与党は年内に法案の骨子をまとめ、年明け1月15日までの会期内に成立を目指す。血液製剤フィブリノゲンと第9因子製剤を投与されたC型肝炎患者に対し、投与時期に関係なく、症状に応じて補償金を支払う内容になるとみられる。

 救済対象は、現在の訴訟の原告に、未提訴の約800人を加えた最大約1000人を見込み、患者の認定は、血液製剤の投与を証明できるカルテなど「客観的な記録」に基づく。証拠があいまいで投与事実をめぐって原告と被告に争いがある場合は裁判所が判断する案が検討されそうだ。

 補償金の額も今後の検討課題だが、国側は大阪高裁の和解協議では、東京地裁判決の基準に基づき、国・製薬企業に法的責任があるとされた期間内の患者には、平均2000万円を提示。期間外の患者には、計30億円の「基金」を積んで間接的に救済するとした。費用は計約170億円とされる。

 政府が20日に大阪高裁に提出した修正案は、血液製剤の投与時期などで被害者を線引きしていたため、原告団から「一律救済の理念に反する」として、受け入れを即日拒否された。

 大阪高裁が21日、原告側の再修正案を受けたうえで、第2次和解骨子案を提示する方針を固めたのを受け、首相は同日中に自民党幹部に議員立法の形で法案を作成する可能性を探るよう指示した。

福田首相がやっと重い腰を上げたようです。

どういう形であれ、救済へ大きな前進ができたことは評価したいとおもいます。

しかし、もう少し早く政治的な決断ができなかったことが残念でなりません。