中央リニア新幹線 JR東海の主導で建設へ

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http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2007122602075069.html

JR東海は25日、2025年に首都圏−中京圏での営業運転開始を目指す中央リニア新幹線について、整備費を国に頼らず、全額自己負担で建設することを前提に手続きを進めると発表した。併せて、リニア建設費の総額が5兆1000億円になるとの試算を公表。しかし、巨額な資金の調達方法に関しては「今後の検討課題」とし、具体的な計画は示さなかった。

 同社の松本正之社長が名古屋市内で会見して発表した。自己負担での建設に踏み切る理由について、松本社長は「国の財源に依存していては(整備が)ずっと後になる」と説明した。新幹線の整備で鉄道会社が建設費を自己負担した例は過去になく、同社はそれが可能かどうか今後、国土交通省に照会するが、国交省幹線鉄道課は「法律的には問題ない」としている。

 建設費試算の基になっている想定ルートは、首都圏から走行試験中の山梨リニア実験線を経由し、名古屋に至るほぼ直線のルート。総延長は290キロで、現在の東海道新幹線(366キロ)より短い。中間駅については「地域負担」を前提とし、建設費試算には織り込んでいない。用地買収費は試算に含んでいるが、用地買収を誰が担当するかは決まっていない。

 リニア開業後の東海道新幹線を含めた新幹線収入については、リニア開業初年度が開業前の5%増、開業10年後までは10%増と予測。一方で、費用は固定資産税や運営費で、開業後に年間3300億円と試算。ほかに東海道新幹線と在来線の維持更新の設備投資に1300億円が必要とした。

 松本社長は会見で、リニアを自己負担で建設しても「安定配当と健全経営は実現できる」と強調。長期債務は開業8年で現在の水準に戻り、経常利益も26−35年度の平均で1400億円程度との見通しを示した。

 

【中央リニア新幹線】 極低温で電気抵抗がゼロになる現象を利用した超電導磁石で車体を10センチ浮かして進むリニアモーターカーを使用。実験では鉄道の世界最高速度(時速581キロ)を記録した。東京−大阪を約1時間、東京−名古屋を40分で結ぶ。ルートは山梨、長野、愛知、岐阜、三重、奈良などを経由する計画。

強気の決断というか、国に任せていてはいつまで経ってもできないという前提にあって、自社で建設費を捻出できることと開通後の収益が見込まれるということを踏まえての建設だと思います。

沿線自治体にとっては、早期開通をのぞんでいるだけに朗報ではないかと思います。


が、費用の想定が、南アルプスを貫通するルートで算出されていることから、私の地元(長野県)では、諸手を上げてというわけにはいかないようです。

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http://www.shinmai.co.jp/news/20071226/KT071225ATI090016000022.htm

JR東海が25日、リニア中央新幹線を自己負担で整備する方針を示した。県内自治体からは早期開業への期待感の一方、同社が南アルプスを貫通する「直線ルート」を想定している−と説明したことには「沿線の要望と異なる」と強い反発の声が出ている。

 県や自治体でつくる「リニア中央エクスプレス建設促進県協議会」は、これまで、一貫して諏訪地方から伊那谷を通るBルートでの建設を求めてきた。だが、JR側が想定するルートでは諏訪地方は通過しないことになる。事務局の県交通政策課は「地方の協力なくしてあり得ない事業のはずだ」と不快感を示す。

 山田勝文・諏訪市長も「県を挙げてBルートを求めてきたので心外だ。今後も、県内の広い範囲に経済波及効果をもたらすこのルートでの建設を要請していく」と強調。小坂樫男・伊那市長も「県と協力し、上伊那を通る路線を要望していきたい」とする。

 一方、JRの自己負担方針について、牧野光朗・飯田市長は「実現に向けて一歩踏み込んだ発言として受け止めている」と評価。「早期着工と駅の設置に向けて、要請活動を粛々と進めていく」と話した。

 JR方針について国土交通省は「リニアは、国土の骨格を形成する国家的プロジェクト。関係自治体とも十分に相談して進める必要がある」(幹線鉄道課)としている。

これからの交渉に注目です。