またバラマキ?


定額減税、給付金方式へ変更 政府・与党、大筋合意(朝日新聞)


新総合経済対策の目玉である定額減税について、政府・与党は「給付金方式」に変更する方向で大筋合意した。減税方式では対象から漏れる低所得者層を救えるうえ、税法改正の手間も省けるためだ。ただ、納税者以外にも一律に配る形になるため、減税以上のバラマキと批判される可能性もある。

 自民党保利耕輔公明党山口那津男政調会長と与謝野経済財政相らが28日、この問題を協議した際、自民党側が給付金方式への変更を提案した。理由として、(1)減税方式では対象外になる課税最低限以下の人にも広く届く(2)国会での税法改正手続きなどが省け、より早く給付できる――などの長所を挙げた。

 減税と給付金の併用を主張していた公明党側も大筋で容認。山口氏は会談後、「メリットは十分理解できる」と語り、別の公明党出席者も「わかりやすさ、公平性、対応が迅速にできるというメリットはある」と評価した。

 ただ、公明党内では給付金方式に変更した場合の呼び方が新たに問題となっている。

 同党は、総選挙を想定して「定額減税」を前面に出したビラを出すなどの宣伝活動をしてきた。そのため、名称を「定額給付金」に変えれば、支持母体の創価学会の会員らが混乱しないかと心配する。山口氏もこの日、「『定額減税』という言葉もある程度浸透しつつあるので国民への説明が必要だ」と指摘。自民党内からは「『定額減税的給付金』など、公明党が説明しやすい名称にすればいい」という声も上がっている。

 実施規模でも、自公間でせめぎ合いが続いている。

 政府・与党はすでに「2兆円規模」で合意しているが、自民党側は給付金方式に一元化して2兆円以内に抑えたい意向。しかし、公明党は、定額減税の恩恵を受けない生活保護世帯などを対象に実施すると決めた臨時福祉特別給付金分などの数千億円をさらに積み増したい考えで、「2兆円超」と主張している。

給付金をどう配るか、高所得者層を給付対象から外すのか……。詰められていない課題は新総合経済対策には盛り込まず、年末の税制抜本改革に先送りする方針だ。



■効果も意義も、さらにあいまい

 定額減税を給付金に変更して配れば、納税していない低所得層には暮らしの一助になる。ただ、不景気や物価高で生活に困窮した層に給付する「社会政策的」(公明党)な側面を強調した場合、「年収数千万円の人にも配るのはおかしい」(自民党税調幹部)。低所得者と同額の現金を高額所得者に配れば、所得税などから差し引く定額減税以上に「バラマキ」との印象は強い。

 非納税者全員にも配る給付金方式については、「社会的な不平等感が高まり、勤労意欲の減退につながる可能性もある」(第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミスト)との指摘もある。

 一方、給付金は低所得層の暮らしの支えになるが、経済全体への効果がどの程度になるかは不透明だ。

 子どものいる世帯などに支給した99年の「地域振興券」は、大半が元々買う予定だった生活必需品の購入に回ったとみられる。当時の経済企画庁は「新たな消費に回ったのは使用額の3分の1程度」と分析した。「4分の1程度しか新たな消費にまわらない」といわれる定額減税と大差ない。ある経済官庁幹部は「効果も意義もあいまいな、どうやっても説明しにくい政策になりそうだ」と嘆く。


この記事を見てふと思い出したのが、十数年くらい前にあった地域振興券です。

これは、単なるバラマキで効果が薄かったというように記憶していますが、今回の給付金もそれの二の舞なのではないかと思います。

一見すると有り難い話にも思いますが、一時的に消費が活発になるだけだろうと思います。