定額給付金給付基準 自治体ごとの判断へ 長野県内での反応

定額給付金の所得制限 県内首長は批判や困惑(信濃毎日新聞)

与党が12日、定額給付金の支給に年間1800万円を下限とする所得制限を設けるか否かなどを市町村の判断に委ねる方針を決めたことについて、県内自治体の首長や幹部からは「国の責任回避」「不公平が生じる」といった批判や困惑の声が相次いだ。

 「国の制度で市町村に裁量を任せるという話は、これまで聞いたことがない」。長野市の湯原正敏・政策調整監は与党の決定に首をかしげた。

 与党の合意では、世帯主のみの所得を基準とするか世帯全体とするかや、所得制限をしない場合の高額所得者への辞退要請も市町村の判断に委ねるとした。これに対し、自治体幹部の多くは批判的だ。

 北佐久郡立科町の小宮山和幸町長は「国の給付金なのだから、国で責任を持って決めてもらいたい」と指摘。小県郡長和町の羽田健一郎町長も「市町村に決めさせるなんておかしな話だ」。飯田市の牧野光朗市長は「国が国策としてその目的を明らかにし、国民にきちんと説明することが必要」とする。

 市町村ごとに給付金の支給対象者が異なる可能性が生じることを問題視する声も。

 上伊那郡飯島町箕浦税夫副町長は「居住地で給付の扱いが変わるのは不公平。市町村が何らかの形で足並みをそろえ、広域的に対応する必要がある」。上田市の小出俊総務部長も「せめて県内は統一するといったようにできないものか」と述べた。

 給付事務のみを自治体が負うことへの反発も強い。下伊那郡阿智村の岡庭一雄村長は「市町村に委ねるなら、使い方まで委ねる方式にした方がよっぽどよい」と批判。諏訪郡富士見町の矢嶋民雄町長も「『任せる』というのなら、使い道も任せてほしい。(国よりも)ずっと有効に使ってみせる」とした。

 須坂市の三木正夫市長は「自治体を手足として使うのではなく、市町村の実態や意向を踏まえて政策を実行してほしい」と注文。南佐久郡南牧村の高見沢英範副村長は「給付金によって景気が良くなればいいが、村民の反応も貯金に回すという声が多い」と効果も疑問視した上で「自治体への交付金という形にしてくれれば灯油券や福祉面にも回せて助かる」と話した。

 与党が目指す年度内支給について、大町市の牛越徹市長は「年末から年度末にかけては窓口事務が錯綜(さくそう)する」と事務量が増えることを懸念。県町村会長でもある南佐久郡川上村の藤原忠彦村長は「われわれは市町村の事務負担を最小限にしてほしいと求めてきた。13日に国や国会議員に要望活動をする予定なので、併せて会として抗議することを検討したい」と憤った。


国策として掲げているのにもかかわらず、地方自治体に基準設定などの事務処理を丸投げするのは愚策のほかにありません。


国民の半数以上は不要といっている制度は、根本から見直すか他の景気浮揚策に変えていくべきだと思います。