大阪の町工場の技術を結集した衛星が宇宙へ


「まいど1号」宇宙へ H2Aロケット打ち上げ成功(朝日新聞・関西)

大阪府東大阪市の中小企業が開発した小型人工衛星まいど1号」が、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」などとともに、23日午後0時54分、鹿児島県の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから、H2Aロケット15号機で打ち上げられた。H2Aの打ち上げ成功は9回連続となった。

 まいど1号は、打ち上げから約33分後、高度689キロで分離され、軌道に投入されたとみられる。分離信号も確認した。毎秒7.5キロの速さで地球の周りを1周約1時間半で回りながら、予報システムの実用化に向けて、雷などの観測を行う予定。運用期間は3カ月を見込んでいる。

 まいど1号の開発は、町工場に若者や活気を呼び戻そうと、中小企業9社でつくる東大阪宇宙開発協同組合(今村博昭理事長)が中心になり、02年から進めてきた。宇宙航空研究開発機構大阪府立大なども協力してきた。

 雷発生時に生じる電磁波を捕らえる雷観測用センサーのほか、地球の地磁気を測る磁気センサー、太陽の方向を見つけることで姿勢制御を目指す太陽センサーなどが、搭載されている。打ち上げ後は、大阪府立大で衛星の運用管制を行う。

 H2A15号機打ち上げの主目的となる「いぶき」は、大気中の二酸化炭素(CO2)やメタンの濃度を宇宙から監視する衛星だ。宇宙機構環境省などが開発した。約5万6千地点で測定する。打ち上げから約16分後に分離した。

 今回の打ち上げでは、ロケットのすき間に相乗りをさせてもらう形で、まいど1号など七つの小型衛星が搭載された。香川大の「STARS(愛称=KUKAI)」は、2個の超小型衛星をひもでつないだ親子型衛星で、宇宙空間でひもを伸ばしてランデブーの実験を行う予定だ。


数年前から、公共広告機構の新聞広告やラジオCMで、「まいど1号」の存在は知っていたんですが、ついに宇宙へ飛び立ったんですね。

一つの工場の力は小さくても、結集すれば大きな力になるということを示したともいえるでしょう。

今は底へ沈んだ製造業ですが、技術を結集すれば、浮上するきっかけを得ることができることが証明できたと思います。