リニア中央新幹線 JR東海がルート別建設費試算を公表


リニア「迂回」なら建設費6400億円増 JR東海提示(朝日新聞)

JR東海は東京―名古屋の25年開業を目指すリニア中央新幹線について、長野県の希望に沿って南アルプスを北に迂回(うかい)するルートで造ると、建設費は直線ルートに比べて約6400億円膨らむ、との試算をまとめた。18日までに自民党リニア特命委員会と長野県など地元自治体に示した。

 試算したのは「地元負担」とする中間駅を除いた建設費で、直線ルートは5兆1千億円、迂回ルートは5兆7400億円。距離が60キロ延び、長野県内の市街地近くでの用地買収も必要という。

 今回の試算には含めていないが、開業後当面の維持運営費や設備更新費を含めると、ルート間のコスト差は1兆円前後に達する可能性がある。これらのデータと需要予測は現在精査中で、8月上旬までに示す。

 また、JR東海は18日の説明で東京―名古屋の最短所要時間を直線ルートなら40分、迂回ルートなら47分とした。東京の駅は品川と想定した。

 特命委後の取材にJR東海松本正之社長は「直線ルートの優位性がはっきりした」と述べた。特命委の堀内光雄委員長はJR東海と長野県の調整を見守る姿勢を示した。長野県の村井仁知事は同日の記者会見で「ルートや駅の話は、建設費や需要などは当然、地域振興の観点も重要」としつつ、今後の調整について「どうしなきゃいかん、という明確な決意を持っていない。どう調整していくか悩んでいる」とも述べた。


これで長野県がどう動くかが注目です。