リニア中央新幹線 Cルートが需要量最多


リニア新幹線、南ア貫通が需要最多 試算で伊那谷を9%上回る(中日新聞・18日)

 JR東海が、首都圏−中京圏を結ぶリニア中央新幹線の3ルートを対象に行った輸送需要や維持管理費などの試算結果が17日分かった。輸送人数と移動距離を掛けて算出する「輸送需要量」は、甲府市から南アルプスをほぼ直線で貫通して名古屋に至る同社想定の「Cルート」が年間167億人キロで最も多く、長野県が要望する南アルプスを北へ迂回(うかい)する「Bルート」を9%上回った。

 これまでの同社の試算でCルートはBルートより、工事費で6400億円、所要時間で7分それぞれ少なくて済むことが既に分かっている。今回の試算で輸送需要や、維持管理、設備更新に掛かる費用でも直線ルートの優位が明らかになった。

 JR東海は21日に試算結果を自民党に示すほか、長野県など沿線自治体にも伝え、ルート調整に活用する方針だ。

 試算は、リニアが開業する2025年を想定。Cルート(延長286キロ)は、他ルートよりも所要時間が短いため輸送需要が多い。年間に必要な維持運営費が1620億円で、車両や駅設備などの更新費は25年から50年間で合計2兆9100億円となる。

 残る2つの南アルプス迂回ルートのうち、茅野から南下し伊那、飯田を経て名古屋に至るBルート(同346キロ)は輸送需要量が153億人キロ、維持運営費が1810億円、更新費が3兆4200億円となった。

 一方、茅野から木曽、中津川を経て名古屋に至る「Aルート」(同334キロ)は輸送需要量が156億人キロ、維持運営費が1770億円、更新費が3兆3300億円だった。


これで、Bルート支持の長野県の自治体にとっては形成が不利な状況になるのは間違えないでしょう。