警備を強化して劇場公演を再開ほか関連情報

事件後初 AKB48が秋葉原で公演再開(NHKニュース・動画あり)

先月、岩手県で開かれた人気アイドルグループ「AKB48」の握手会で、メンバーなど3人が切りつけられけがをした事件の影響で休館していた東京・秋葉原にあるグループの活動拠点「AKB48劇場」が、警備体制を強化して2日、公演を再開しました。

この事件は、先月25日、岩手県滝沢市で開かれたAKB48の握手会で、メンバーなど3人が男にのこぎりで切りつけられけがをしたものです。
事件を受けてAKB48の運営会社のAKSは、東京・秋葉原にあるグループの活動拠点で、メンバーによる公演をほぼ毎日、開いてきたAKB48劇場を警備体制の見直しのため休館していました。
見直しの結果、劇場内に刃物などを持ち込ませないよう金属探知機を導入し、ステージと客席の間に柵を設け、警備員を増やす対策を取って、2日夜、8日ぶりに公演を再開しました。
再開初日の劇場内は、秋葉原を管轄する警視庁・万世橋警察署の警察官6人が特別に警戒に当たりました。
AKB48劇場は観客席とステージが近く、公演終了後にはメンバーと客がハイタッチをするなど、距離の近さがファンにとっての魅力の1つになっていますが、2日夜はハイタッチも行われないということです。
また、ふだんは自由に出はいりができる劇場のロビーも、2日はチケットが当たった人以外の入場が制限され、会場の周辺には、ロビーに入れないことを知って残念がるファンもいました。
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「安全対策をしっかりしてほしい」
埼玉県から来た22歳の男性は「事件が起きたあとはどうなるか不安でしたが、思ったより早く再開されてうれしいです。劇場での公演は何度も見てきて、やはり距離の近さが魅力でした。でも、手荷物のチェックなどはこれまで甘かったので、今後はメンバーがケガをするようなことがないように、安全対策をしっかりしてほしいです」と話していました。
千葉県から来た41歳の男性は、「劇場のチケットのキャンセル待ちで来たのですが、ふだんなら劇場のロビーに入れるのに、きょうは入れないと連絡があり残念です。ファンにとって大切な握手会の場で事件が起きたことに、今でも強い怒りを覚えます。事件が起きた以上、警備強化はやむをえないと思います」と話していました。
また、AKB48のグッズを買いに秋葉原を訪れていた27歳の男性は、「メンバーがケガをするようなことがあってはいけないので、今後は安全第一でやっていただけたらと思います。握手会もファンとして楽しみにしているので、安全を確保しながら再開してもらいたいです」と話していました。


業界に波紋

先月、人気アイドルグループ「AKB48」の握手会でメンバーらが切りつけられた事件を受けて、AKBだけでなく、さまざまなアイドルのイベントで警備態勢を強化する動きが相次いでいます。
先月31日、AKB48としては事件後初めてのステージが長野県松本市で行われました。
ステージの前にはフェンスが設置され、警察官や警備員が控えるなど強化された警備のなか、メンバー15人がヒット曲を歌ったり、トークショーを行ったりしました。
しかし、予定されていた会場をメンバーが練り歩く催しは事件を受け中止になったということです。
こうした影響はAKB48グループ以外にも広がり、「モーニング娘。’14」などのアイドルグループが所属する事務所も握手会などでの警備体制の強化を決めました。
ほかのアイドルグループも予定していた握手会を中止したり、コンサートなどのあとにファンと手を合わせる「ハイタッチ」を当面やめる対応を取っています。
さらに、地方で活躍する「ご当地アイドル」にも波紋は広がっています。
このうち、宮城県気仙沼市のご当地アイドルグループ、「SCKGIRLS」は、東日本大震災の起きた平成23年、被災地の復興支援を目的にデビューしたグループです。
メンバーは小学生から大学生までの11人。
1日は、気仙沼市内の仮設商店街で開かれたチャリティーイベントに参加しました。
イベントではこれまでよりも運営スタッフを増やし、メンバーの安全に気を配りました。
また、イベントが終わったあと、メンバーがCDを販売したり写真撮影に応じたりするなどファンと交流しましたが、写真撮影の際にはリュックサックなどの手荷物を置いてもらうなどの対応を取っていました。
メンバーの1人まりかさんは、「事件が起きたからといっていきなりファンとの交流をやめる訳にもいかない。安全と交流の両立を図りながら今後もイベントを行っていきたい」と話していました。
グループを運営している佐藤健さんは、「地元に根付いたグループなのでアットホームな雰囲気は残しつつ、警備を強化することをファンにも理解してもらってイベントを続けていきたい」と話していました。
ここ数年、アイドルグループが全国的に次々に誕生し、アイドルが身近な存在になっています。
メンバーがファンと直接会って握手をしたり、ことばを交わす「握手会」は、人気を得るためのファンサービスとして定着していて、いかに安全を確保しながらイベントを維持していくかが、業界の課題となっています。


専門家「握手会はファンが守れ」
アイドル文化に詳しい情報環境研究者の濱野智史さんは、「アイドルといえば、メディアを通じてしか触れられなかった時代から、今は、実際にステージを見て、声をかけたり握手をしたりして交流できる存在に変化している。AKB48が切り開いた『会いにいけるアイドル』という文化は、より、小規模に活動している地方のアイドルに波及して、定着してきた」としたうえで、「アイドルが安心して握手ができない握手会はファンにとっても魅力がなくなってしまう。警備態勢の強化は致し方ない」と話しています。
そのうえで、財政的な事情などで万全の警備態勢を用意できない小規模な地方のアイドルグループのケースでは、「ファンどうしが自主的にボディチェックをしたり、物を隠すことのできない服装を呼びかけるなどして、アイドルと交流できる文化を自分たちで守っていくことができるのではないか」と話しています。

実際に生でこのニュースを見ましたが、昨日とおとといに行なわれた松本市でのチーム8のライブイベントの様子も一部流れました。

先日の事件の余波は他のアイドルグループのイベントにも影響が及んでおり、セキュリティの強化を余儀なくされる事態になりました。

次のエントリーに書きますし、上の記事にもありますが、地方で活動しているアイドルグループでもセキュリティの強化を迫られることとなりました。

識者の話にもあるように、AKB48が築いたメンバーとファンがコミュニケーションできるというスタイルが地方アイドルの成長につながっていると思います。

個人的な考えとして、どれだけセキュリティが強化されても、ファンとしては安全にイベントが運営できるのであれば、どんな協力もいとわないです。


追記として、昨日とおととい行なわれた松本市でのチーム8のライブイベントのニュースが、今夕に(イベントを主催した)長野放送のローカルニュースで放送されました。

記者によるレポートが入り、警備の様子やライブの様子、ファンの声、地元代表近藤萌恵里さんのコメントが放送されました。

(21:56追加更新)
先程放送されたNHKの「ニュースウォッチ9」にて秋葉原の劇場前からの中継がありました。

その中で、昨日北海道平取町で行なわれたSKE48山内鈴蘭さんを招いてのイベントの模様が放送されました。

そのニュースの内容がNHKの北海道のローカルニュースとして取り上げられています。

すずらんの里にアイドルで警戒(NHK北海道 NEWS WEB・5月31日・動画あり)

日高の平取町すずらんの花が見ごろを迎え、町では、人気アイドルグループSKE48のメンバーを呼んでイベントを開きました。
今月、姉妹グループのAKB48がのこぎりを持った男に襲われたことから、町は警戒を強めていましたが、イベントは無事終わりました。
広さ15ヘクタールで、日本一をうたう、平取町すずらんの群生地では、今、白いかれんな花が見ごろを迎えています。
町では、毎年この時期にイベントを開いていて、ことしはすずらんの名前にちなんで、人気アイドルグループSKE48の山内鈴蘭さんを招きました。
すずらんの群生地の横で行われたイベントでは、山内さんのトークショーなどが開かれ、道外から駆けつけた山内さんのファンも含め例年の3倍近い1800人が集まりました。
今月25日岩手県で開かれたイベントで、姉妹グループ、AKB48がのこぎりを持った男に襲われた事件を受けて、町では予定されていた握手会をとりやめ、31日は、私服警察官や町の職員あわせて9人が山内さんを取り囲んで
警戒にあたり、イベントは無事終了しました。
平取町産業課の庄野剛課長は「事件の直後で心配でしたが、お客さんは礼儀正しく、何も起きず安心しました」と話していました。