2年後は名古屋で開催


COP10、名古屋決定 2010年開催 「里山」アピール(中日新聞)

 ドイツ西部ボンで開かれていた生物多様性条約の第9回締約国会議(COP9)は30日午後(日本時間同日夜)、次回2010年の第10回会議(COP10)を同年10月11日から29日まで名古屋市で開催することを正式決定した。COP10では生物種保全で新戦略の採択を目指すことから、名古屋での開催は「ナゴヤ・ターゲット」が地球環境での国際指標となるか成否がかかる節目となる。

 30日の閉幕会議には鴨下一郎環境相、松原武久名古屋市長が出席。191の国・地域代表の総意で名古屋開催を承認した。鴨下環境相は候補地決定を受けあいさつ。「COP9での大きな成果を引き継ぎ、2010年という生物多様性にとって節目の年に行われるCOP10の成功に向けて努力したい」と抱負を述べた。

 COP9での決議では、11年以降の新戦略について「国別、可能なところは定量的な目標の枠組みを備えるべきだ」として、国別数値目標を定める方針を提示。COP10への作業手順を定めた。

 最大の対立点である「生物資源」の利用と利益配分問題では、専門家会合で法的拘束力のある国際的枠組みづくりを含めて検討。10年までに議論を終えるとしていることから、名古屋が最終決戦の場となりそうだ。

 議長国となる日本は、人間と自然が共生するモデルとして「里山」を打ち出す方針。名古屋市も東山動植物公園北側で整備を始めた「東山の森」(千種区)を、里山再生の例としてアピールする。

 COP9は19日にボンで開幕。非政府組織(NGO)を含め約6000人が参加した。
 

生物多様性】 多くの生物が自然環境に適応して生息し、生物同士が相互に依存してさまざまな生態系が成り立っていることを指す。しかし、近年は年に4万種の野生生物が絶滅しているとされ、生物の多様性を保全する国際的な枠組みとして、生物多様性条約が1992年、ブラジルの地球サミットで採択された。191の国と地域が2年に1度集まり、締約国会議(COP)を開く。

環境問題が緊急の課題となっている現在、生態系の点から環境問題を解決していこうということで、日本のリーダーシップをアピールできる絶好のチャンスだと思います。

名古屋は「愛・地球博」で、環境問題の重要性をアピールできた点で実績があるので、開催地としてはふさわしいです。

ぜひとも成功させてほしいですね。