事故米の影響が広がる


三笠フーズ取引先の社長が自殺 奈良(朝日新聞)

16日午後11時50分ごろ、奈良県広陵町の米穀販売会社「ナカガワ」の社長の男性(54)が自宅寝室で掃除機の電気コードで首をつっているのを長男(28)が見つけ、119番通報した。社長は病院に運ばれたが、17日未明に死亡が確認された。県警によると、遺書はなかったが、自殺とみて詳しい動機を調べている。

 同社は三笠フーズ事故米を扱っていた仲介業者の一つで、農林水産省が16日に社名を公表した。県によると、同社は今年1〜8月、佐賀県の業者を介してメタミドホスが残留している可能性がある53トンのもち米を仕入れ、奈良県内の複数の業者に納入していた。

 県警によると、三笠フーズ事故米の出荷が発覚して以降、納入した業者などから問い合わせが殺到し、対応に追われていた。社長は家族に「死にたい」「病院に行きたい」などと漏らし、16日昼に農薬を飲んで自殺を図ろうとしたが、家族が発見して止めた。いったん病院に行ったが落ち着いたため、自宅に戻っていたという。

 同社の従業員は16日、朝日新聞の取材に「我々は国産米と信じており、まさか事故米が混ざっているとは思ってもみなかった」と話していた。

被害者というよりは、不正な米を流通させてしまったという加害者責任から自殺をしたのではないかと思います。


心よりご冥福をお祈りいたします。




汚染米流通先「風評被害が心配」 中部の和菓子店など当惑(中日新聞)

農薬メタミドホスなどで汚染された事故米の不正転売問題で、三笠フーズ大阪市)の流通先約380社が判明した16日、中部地方の和菓子店や老人福祉施設でも使用が明らかになり、動揺が広がった。各業者は汚染米の混入を知らずに仕入れたため「寝耳に水」と驚き、「うちも被害者だ」と嘆いた。

 「突然のことでショックです」。名古屋市熱田神宮前に店を構える「きよめ餅(もち)総本家」の新谷武彦社長(61)は、報道陣に囲まれ、ぼうぜんと話した。

 兵庫県姫路市の製粉会社から昨年12月5日、汚染米が混じった粉末状のもち米224キロを仕入れたが、「まさか事故米だとは思わず、輸入米とも知らなかった。値段もいつも通りだった」。

 すでに「きよめ餅」約6700個分に使い、同月中に販売済み。消費者から相次ぐ問い合わせに、「いま使っているのは問題ない」と説明に追われた。

 店の前を通り掛かった会社員女性(61)は「こんな身近で名のある菓子まで使っているとは。どうやって事故米を見分ければいいの」とあきらめたように話した。


 名古屋市西区の菓子原材料卸「きくや」の酒井正明専務(62)も「寝耳に水」。この日昼ごろ、昨年11、12月に仕入れた粉末状のもち米計520キロ分について業者から連絡を受けた。「こちらは正規品と言われれば、信じるしかない。腹立たしいし、消費者に申し訳ない」とうなだれた。

 岐阜市の製菓原料卸「タナカ商店」は食用もち米として、汚染米岐阜県内の約10社の和菓子店に販売。銘菓アユ菓子の原材料である牛皮粉に使われた可能性があるという。

 三笠フーズへの怒りとともに、不正を見抜けなかった農林水産省への怒りも。昨年12月に1160キロ仕入れ、東海地方の和菓子店64社に販売した福田商事(名古屋市中村区)の福田健三社長(44)は「行政の監督不足に怒りがないと言えばうそになる」。

 もち米の粉180キロを昨年12月に和菓子店など約10社に販売した三重県四日市市の食材卸売業「ミルズカトウ」の加藤芳男社長(49)も「名前を公表された業者がこれから生きていけると思うのか」と販売先の公表を拒否。業者名を明らかにした農水省に怒りを向けた。

 卸・製造業4社で混入が判明した福井県。約4トンを3つの和菓子業者に納品した「前田充商店」(福井市)の前田充生社長(60)も「風評被害が心配」と苦渋の表情を浮かべた。

腹立たしい思いはよく分かります。


農水省は責任を持って対処してほしいですし、国民の食の安全を一日も早く回復するように努めてもらいたいものです。