御嶽山噴火による行方不明者の捜索終了

御嶽山の行方不明者捜索・きょうで「打ち切り」に(SBC信越放送・16日)

いまなお7人が行方不明になっている御嶽山での捜索が、天候などを理由にきょうでいったん打ち切られることになりました。

県の災害対策本部長を務める阿部知事は午後7時半からの会見で御嶽山での捜索活動を打ち切りを決めたことを発表し、「断腸の思いだ」と残念な様子で話しました。

捜索打ち切りの理由として阿部知事は予定していたエリアでの捜索がすべて終了したこと、山頂付近では連日雪が降るなど捜索隊の安全確保が難しくなっていることなどを挙げました。

捜索の終了後に打ち切りを知った消防署員は「被害に遭われた方はまだいる。

1日でも早く捜索再開になればいい」などと話していました。

噴火から20日が経った御嶽山ではこれまでに56人の死亡が確認されたほか、対策本部は7人が行方不明になっていると見ています。

捜索の再開について阿部知事は、入山規制が緩和された段階で検討するとしています。


御嶽山噴火の捜索終了で隊員に感謝の式(SBC信越放送・動画あり)

御嶽山の捜索にあたった警察や消防、自衛隊の隊員に感謝する式がふもとの王滝村で行われました。

式は臨時のヘリポートとして使われていた松原スポーツ公園で行われ、阿部知事や政府の現地対策本部長を務めた松本洋平内閣府政務官らが出席しました。

この中で阿部知事は、「皆さんは最後の1人まで見つけるという気持ちで捜索していたと聞いている。

過酷な状況の中捜索してくださったことに感謝申し上げたい」とお礼の言葉を述べました。

県によりますと噴火からきのうまでの20日間にのべ1万5000人以上が捜索にあたり、56人の死亡を確認しました。

式のあと隊員たちは阿部知事や県内の消防隊員に見送られながら、王滝村を後にしました。


捜索隊が引き上げた王滝村・小中学生が自衛隊にねぎらいの歌を贈る(SBC信越放送・動画あり)

御嶽山の噴火による行方不明者の捜索がきのうでいったん打ち切られたことを受けて、捜索隊は拠点としていた王滝村から引き揚げました。

王滝村では朝から陸上自衛隊の隊員がテントなどを車に積み込み、撤収の準備をしていました。

隊員が滞在していた王滝小学校と王滝中学校の校庭では、児童と生徒が隊員たちをねぎらおうと、感謝の気持ちを込めて「ビリーブ」など3曲を歌いました。

思わぬプレゼントに思わす涙を流して、「本当に今までの苦労を忘れさせる歌だった」と話す隊員もいました。

王滝中学の女子生徒は「これまで何もできなかったので、気持ちを伝えようと思った」と話していました。

村を拠点に活動していた捜索隊は昼過ぎまでに次々と撤退し、普段の静かな村の風景が戻ってきましたが、御嶽山はきょうも噴煙を上げて火山活動が続いています。

まだ行方不明者が残っている状況での捜索が一旦終了したことについては歯がゆい思いがします。

でも、捜索をしている隊員の安全や健康を考えると、捜索をする環境が厳しさを増す中においては、こうした決断をせざるを得なかったと理解しなければなりません。

来年の春以降に捜索再開の判断がなされますが、行方不明者が残されている限りは、御嶽山に思いを寄せたいと思っています。